Bifidobacterium longumはアラビノガラクタン・プロテインをエサとして利用している

植物の細胞壁にはヒトの消化酵素では分解できないペクチンやヘミセルロースなどの多糖として存在する食物繊維だけでなく、アラビノガラクタン-プロテイン(AGP)などの食部糖タンパク質も食物繊維の一つとして含まれている。ヒトの大腸で私たちと共存しているビフィズス菌は、食物繊維を奪い合い(また協力して)利用しているようである.植物多糖やAGPは便の増量剤になるだけでなく、B. longumのエサとなりプレバイオティクス効果を我々にもたらしている。AGPはB. longumを選択的に増やすことができる「プレバイオティック糖タンパク質」である。
→詳細は総説を見てください。
 藤田清貴:ビフィズス菌が持つ糖タンパク質糖鎖の分解代謝システム:ビフィズス菌を増やすプレバイオティック糖タンパク質,化学と生物,55(4), 242-248 (2017).J-STAGE
 

最近の出来事

2024年

11月

17日

セヤル種アラビアガムからオリゴ糖を遊離するGH39 βAOS-AAfaseに関する論文がCarbohydrate polymers誌にオンライン公開されました。

Sasaki, Y., Matsuo, A., Hashiguchi, M., Fujimura, K., Koshino, H., Tanaka, K., Ito, Y., Kitahara, K., Ishiwata, A., and Fujita, K.*: Structural analysis of gum arabic side chains from Acacia seyal released by bifidobacterial β-arabino-oligosaccharide 3-O-β-L-arabinopyranosyl-α-L-arabinofuranosidase, Carbohydrate polymers, 349, 122965 (2025) https://doi.org/10.1016/j.carbpol.2024.122965 

 

詳細は鹿児島大学研究トピックスをご覧ください。

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2024年

11月

06日

GH91 DFA-III hydrolaseに関する論文がAppl. Microbiol. Biotech.誌にオンライン公開されました。

 Ye, T., Horigome, A., Kaneko, H., Odamaki, T., Kitahara, K., and Fujita, K.*: Degradation mechanism of difructose dianhydride III in Blautia species. Appl. Microbiol. Biotech., 108, 502 (2024) 10.1007/s00253-024-13346-5

 

詳細は鹿児島大学研究トピックスをご覧ください。

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2024年

9月

28日

M2の岩永菜央さんが日本応用糖質科学会2024年度大会にてポスター賞を受賞しました。

岩永菜央、鹿島騰真、新地浩之、隅田泰生、石渡明弘、田中克典、伊藤幸成、伏信進矢、北原兼文、藤田清貴:GH183 endo-D-arabinanaseCBM領域が有するD-アラビナン結合性の解析. 日本応用糖質科学会2024年度大会(京都,2024.9.26)

 

 

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2024年

3月

25日

腸内細菌におけるβ-L-アラビノフラノシダーゼの役割に関する総説がTIGG誌にオンライン公開されました。

  Fujita, K., Ishiwata A., and Fushinobu S.: Role of β-L

Arabinofuranosidases in Intestinal BacteriaTrends Glycosci.

Glycotechnol. 36, 210, E35-E38 (2024). Doi:10.4052/tigg.2306.1E

 

 

 藤田清貴、石渡明弘、伏信進矢:腸内細菌におけるβ-L-アラビノフラノシダーゼの役割,Trends Glycosci. Glycotechnol. 36, 210, J35-J38 (2024). Doi:10.4052/tigg.2306.1J

 

英語と日本語のハイブリッドジャーナルです。

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2024年

2月

08日

GH146 β-L-arabinofuranosidaseに関する論文がAppl. Microbiol. Biotech.誌にオンライン公開されました。

Fujita, K., Tsunomachi, H., Lixia, P., Maruyama, S., Miyake, M., Dakeshita, A., Kitahara, K., Tanaka, K., Ito Y., Ishiwata A., Fushinobu, S.: Bifidobacterial GH146 β-L-arabinofuranosidase for the removal of β1,3-L-arabinofuranosides on plant glycans. Appl. Microbiol. Biotech., 108, 199 (2024). doi: 10.1007/s00253-024-13014-8

詳細は鹿児島大学研究トピックスをご覧ください。

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2023年

9月

20日

Naure Communications誌にオンライン公開されました。

 Shimokawa, M., Ishiwata, A., Kashima,T., Nakashima, C., Li, J., Fukushima, R., Sawai, N., Nakamori, M., Tanaka,Y., Kudo, A., Morikami, S., Iwanaga, N., Akai, G., Shimizu, N., Arakawa, T., Yamada, C., Kitahara, K., Tanaka, K., Ito, Y., *Fushinobu, S., *Fujita, K.: Identification and characterization of endo-α-, exo-α-, and exo-β-D-arabinofuranosidases degrading lipoarabinomannan and arabinogalactan of mycobacteria. Nat. Commun., 14, 5803 (2023).doi: 10.1038/s41467-023-41431-2

詳細は鹿児島大学研究トピック東京大学大学院農学生命研究科研究成果をご覧ください。

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2023年

9月

19日

M1の岩永菜央さんが日本応用糖質科学会2023年度大会にてポスター賞を受賞しました。

 岩永菜央、赤井元気、新地浩之、隅田泰生、石渡明弘、伊藤幸成、伏信進矢、北原 兼文、藤田清貴Microbacterium属由来endo-D-arabinanaseが有するD-arabinan結合性の解析. 日本応用糖質科学会2023年度大会(沖縄,2023.9.14

 

 

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2023年

4月

22日

アラビノガラクタン・プロテインを分解するために必要な新たな酵素に関する論文が公開されました

Sasaki, Y., Yanagita, M., Hashiguchi, M., Horigome, A., Xiao, J-Z., Odamaki, T., Kitahara, K., and Fujita, K.:Assimilation of arabinogalactan side chains with novel 3-O-β-L-arabinopyranosyl-α-L-arabinofuranosidase in Bifidobacterium pseudocatenulatum. Microbiome Res. Rep. 2, 12 (2023).doi: 10.20517/mrr.2023.08

詳細は鹿児島大学研究トピックスをご覧ください。

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2023年

1月

08日

β-L-アラビノオリゴ糖を完全に分解する酵素の論文が公開されました

Ishiwata A., Tsunomachi, H., Kameyama, K., Sophone, K., Nakamura, M., Kitahara, K., Tanaka K., Ito Y., Fujita K.: Bifidobacterial GH146 β-L-arabinofuranosidase (Bll4HypBA1) as the last enzyme for the complete removal of oligoarabinofuranosides from hydroxyproline-rich glycoproteins. ChemBioChem

 詳細は鹿児島大学研究トピックをご覧ください。

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2022年

12月

21日

総説がバイオサイエンスとインダストリー誌に掲載されました

藤田清貴、佐々木優紀、北原兼文:腸内細菌による植物アラビノガラクタン-プロテインの糖鎖分解に関わる酵素群の役割,バイオサイエンスとインダストリー,80(6),466-470(2022) バイオサイエンスとインダストリー

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2022年

8月

03日

佐々木さんの総説が応用糖質科学誌に掲載されました

佐々木優紀、北原兼文、藤田清貴:ビフィズス菌におけるアラビアガム分解代謝機構の解明,応用糖質科学,12(2),108-116(2022). J-STAGE

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2022年

2月

03日

博士課程佐々木優紀さんの論文がAppl Environ Microbiol誌にオンライン公開されました。

Sasaki, Y., Komeno, M., Ishiwata, A., Horigome, A., Odamaki, T., Xiao, J-Z., Tanaka, K., Ito, Y., Kitahara, K., Ashida, H., and Fujita, K.: Mechanism of cooperative degradation of gum arabic arabinogalactan protein by Bifidobacterium longum surface enzymes. Appl. Environ. Microbiol., 88 (6), e02187-21 (2022). 

doi:10.1128/aem.02187-21 AEM

 詳細は鹿児島大学研究トピックをご覧ください。

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2021年

11月

04日

カラメルに含まれるオリゴ糖を分解する酵素の特許が公開されました

 藤田清貴、石渡明弘:糖質分解酵素、食品添加用細菌のスクリーニング方法、プレバイオティクスの評価方法及びプライマー対. 特開2021-153433 (特願2020-055336)

JST

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2021年

10月

27日

カラメルに含まれるオリゴ糖を分解する酵素を口腔内ビフィズス菌から発見

口腔内から単離されたビフィズス菌であるBifidobacterium dentiumから、DFA Iのα-フルクトフラノシド結合を加水分解してイヌロビオースという二糖を生じる酵素「DFA Iシンターゼ/ヒドロラーゼ」を発見しました。酵素の配列新規性が認められた結果、糖質分解酵素ファミリー172とEC4.2.1.179が新設されました。Kashima, T., Okumura, K., Ishiwata, A., Kaieda, M., Terada, T., Arakawa, T., Yamada, C., Shimizu, K., Tanaka, K., Kitaoka, M., Ito, Y., Fujita, K., and Fushinobu, S.: Identification of a difructose dianhydride I synthase/hydrolase from oral bacterium establishes a novel glycoside hydrolase family. J. Biol. Chem.,  297, 101324 (2021).

doi: 10.1016/j.jbc.2021.101324 JBC GH172  EC4.2.1.179

 

詳細は鹿児島大学研究トピック東京大学研究トピックスをご覧ください。

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2021年

7月

16日

研究室紹介youtube動画が公開されました

2021年

7月

11日

D3の佐々木優紀さんが日本乳酸菌学会2021年度大会にて若手発表優秀賞を受賞しました。

 佐々木 優紀、芦田久、石渡明弘、伊藤幸成、堀米 綾子、小田巻 俊孝、清水(肖) 金忠、北原 兼文、藤田清貴:Bifidobacterium longumの菌株特異的なアラビアガム分解メカニズムの全容解明. 日本乳酸菌学会2021年度大会(オンライン,2021.7.9)

 

 

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2021年

6月

15日

博士課程佐々木優紀さんの論文がJ. Appl. Glycosci.誌に掲載されました。

doi: 10.5458/jag.jag.JAG-2021_0004 JAG

Sasaki, Y., Uchimura, Y., Kitahara, K., and Fujita, K.: Characterization of a GH36 α-D-galactosidase associated with assimilation of gum arabic in Bifidobacterium longum subsp. longum JCM7052. J. Appl. Glycosci., 68, 47-52 (2021).

B. longum JCM7052株のGAfaseによって遊離された二糖を分解するα-D-galactosidaseの報告です。

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2021年

4月

09日

論文がMicrobiol. Resour. Announc.誌に掲載されました。

doi: 10.1128/MRA.01193-20 MRA

Yamamoto, I., Ueno, Y., Geshi, M., Inagaki, Y., Odamaki, T., Fujita, K.: Complete genome sequence of Bifidobacterium longum subsp. longum JCM7052. Microbiol. Resour. Announc., 10, e01193-01120. (2021).

B. longum JCM7052株のゲノム配列の報告です。NCBI

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2021年

3月

22日

博士課程佐々木優紀さんの論文がAppl Environ Microbiol誌に掲載されました。

Sasaki, Y., Horigome, A., Odamaki, T., Xiao, J-Z., Ishiwata, A., Ito, Y., Kitahara, K., and Fujita, K.: Novel 3-O-α-D-galactosyl-α-L-arabinofuranosidase for the assimilation of gum arabic arabinogalactan protein in Bifidobacterium longum subsp. longum. Appl. Environ. Microbiol., 87 (10), e02690-20 (2021). 

doi:10.1128/AEM.02690-20 AEM

鹿児島大学HPに掲載されました。鹿児島大学

ビフィズス菌がアラビアガムを利用して増殖するメカニズムを解明

森永乳業(株)でのニュースリリース 森永乳業(株)

アラビアガムがビフィズス菌を増やす仕組みを解明

南日本新聞の4月14日の23面に「ビフィズス菌増の酵素発見 鹿大院生ら研究グループ 食物繊維との関係解明へ」というタイトルの記事が掲載されました。南日本新聞

南日本新聞の4月26日の3面の「かお」のコーナーで佐々木さんの紹介記事が掲載されました。

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